目の前の一杯こそが答えなんだ

「飲み頃」や「食べ頃」という言葉があるのは、美味しく飲めたり、食べられる頃合いがあることを私達が知っているからである。リンゴやイチゴなどの果物をまだ小さな熟す前の状態でもぎ取って食べようとは思わない。それは大きく熟した実の方が甘くて美味しいからである。それでは焙煎されたコーヒー豆だったら、いつが淹れたらおいしい頃合でしょう。天ぷらやフライは揚げたてが美味しいから、コーヒー豆だって妬きたて、つまり焙煎して直ぐに淹れたコーヒーが美味しい? 一方で焙煎したては炭酸ガスが豆内部に充満していてドリップする場合の妨げになるから、ガスの抜けた2、3日後がいいなんて説もある。またイタリアのエスプレッソに使うブレンド豆は焙煎から2週間程寝かしたものが飲み頃だと聞いたこともある。しかし、スーパーで売っているコーヒー豆、それもプレミアムやら最高級とパッケージに書いてある商品の賞味期限は6ヶ月。だったら焙煎してから2、3ヶ月後でも美味しいはず。考えれば考えるほど、飲み頃の答えから遠ざかっていくように感じる。なぜなら、簡単に飲み比べることができないからである。目の前にある焙煎したての豆と1ヶ月後の豆を一緒に飲み比べることはタイムリープでもしない限り不可能である。せめてできることと言えば、記憶や記録の中で比べること。その場合、様々な既成概念や自分の好みの印象が加わり、正しい判断なんかできっこない。結論があるとすれば、コーヒー豆の「飲み頃」などという事を考えるのを止めて、今日淹れた目の前の一杯こそが美味しいと信じること。そうは言っても香りがしなくなる程古いコーヒー豆が実際あるのも事実。

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